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小笠原でスキューバダイビング pc

小笠原でスキューバダイビング sp

東京から約1,000キロ、太平洋に浮かぶ30もの島々からなる小笠原諸島。
誕生して以来、大陸と大きく隔絶していたため生物が独自の進化を遂げ、
ここでしか見ることのできない貴重な生態系が育まれている場所でもあります。

陸上同様、海中も多彩な生物が見られる場所として有名。
小笠原ブルーと呼ばれる紺碧の舞台に、回遊魚、マンタ、イルカ・クジラなどの大物から固有種、沈船、サンゴまで
バリエーション豊かなラインアップが次々に登場します。
想像を遥かに超える小笠原の魅力をご紹介!



文・大野幸隆

世界遺産の海で四季折々の表情を楽しむ

  • 30もの島々で成り立つ小笠原諸島。民間人が居住するのは父島・母島の2島のみ

独自の進化を遂げた島
今から何千万年も昔、小笠原諸島は海底噴出物により出来上がったと言われています。当時はただの岩地。しかも周囲にはすべて海に囲まれているため、簡単には生物はたどり着けません。 長い年月をかけて海鳥や風、波が偶然運んできた植物が徐々に増えるものの、大陸のような多様性を形成するには程遠い状態。そんな中、運よく定着した生き物たちは天敵のいない島内で独自の進化を遂げました。 その結果、実に植物の36%、陸産貝類では95%が小笠原でしか見ることができない固有種という、類まれな生態系が出来上がったのです。その貴重な自然環境が評価され2011年世界自然遺産にも登録されました。
進化の過程は今なお継続しており、島内の環境によって種が分化、元は同じ植物がまったく違った外見になっているものも。まさにダーウィンの進化論を目の当たりにすることができる場所なのです。
  • オールシーズン出迎えてくれるイルカたち
  • オールシーズン出迎えてくれるイルカたち

  • 日本でしか見ることができないチョウチョウウオ「ユウゼン
  • 日本でしか見ることができないチョウチョウウオ「ユウゼン」

季節を彩るスターたち
小笠原の海は通年潜ることが可能です。しかし行く季節によって見所が変わります。

■春の見所
ザトウクジラを見ることができるトップシーズン。毎年、子育てのためにこの海域を訪れるクジラ達。ダイビング中でも彼らの声が頻繁に聞こえてきます。ボート上で遭遇することもしばしば。 また、日本固有種のチョウチョウウオ、ユウゼンの群れ(ユウゼン玉)や巨大なサメ・シロワニの姿が見られるのもこの季節です。

■夏の見所
海況が安定、魚影も濃くなり小笠原のベストシーズンと言われる季節。父島の北にある遠征ポイント「ケータ列島」に行けるのはこの季節。 巨大イソマグロが回遊するポイント「マグロ穴」は圧巻!ウメイロモドキの大群など小笠原らしい風景も見られます。

■秋の見所
水温、透明度共に一番高くなるシーズン。ギンガメアジ、ロウニンアジなどの暖かい海域を好む魚たちが増えてきます。高い確率でマッコウクジラも出現。運が良ければ船上で観察することも可能です。

■冬の見所
水温も低くなり魚影も薄くなりますが、ザトウクジラやシロワニが見られ始めるようになります。秋冬の人気ポイント「閂(かんぬき)ロック」などではトビエイの群れが見られることもあり。

小笠原のダイブポイント

ポイントは大きく分けて3エリア
小笠原のダイビングポイントは①父島周辺 ②母島周辺 ③聟島(むこじま)・嫁島(よめじま)周辺 の3つに分けられます。
父島周辺のポイントはボートで30~40分ほど。父島列島である父島、兄島、弟島エリアのポイントを指します。70以上もありサンゴから大物、沈船、砂地とバリエーション豊か。ザトウクジラとの遭遇率も高い。
母島周辺は父島よりダイナミック、手付かずの自然が残されています。
聟島(むこじま)・嫁島(よめじま)周辺は「ケータ」とも呼ばれシーズンはGW辺りから9月頃まで。イソマグロの回遊で有名な「マグロ穴」があるのもこのエリアになります。
  • ドブ磯(父島)

    ドブ磯(父島周辺)

    父島を代表するポイント。水深50mから立ち上がる2つの根の周辺を潜ります。マグロやギンガメアジ、ウメイロモドキがわんさか! 根の上を見上げれば息を飲むようなブルー、中層は魚影、駆け巡るイソマグロ。是非とも潜りたいポイントです。

  • 閂(かんぬき)ロック(父島)

    閂(かんぬき)ロック(父島周辺)"

    秋から冬の人気スポット。ギンガメアジやウシバナトビエイの群れが登場する確率が高く、ドリフトでダイナミックなダイビングが楽しめます。 少々難易度の高いポイントなのでスキルアップして臨みましょう。

  • 二見港、エダサンゴ(父島)

    二見港、エダサンゴ(父島)

    こちらは主に年末年始~3月位がベストシーズン。 小笠原は夏に見所が集中しますが、この時期シロワニがほぼ確実にみられ、 湾内で海況が悪い日も行けるためザトウクジラと共に、冬場のイチオシポイント。

  • マグロ穴(嫁島)

    マグロ穴(嫁島周辺)

    父島の北、聟島列島(むこじまれっとう)最南端、嫁島にあるマグロ穴。小笠原といったらここ!と言うダイバーも多い。凱旋門のようなアーチ状の岩の下にマグロが群れる世界的にも珍しい場所です。 多い時には100匹以上!イソマグロは大きいものは1mオーバーの個体も多く見られ、迫力と美しさ共に群を抜いているポイント。

小笠原のダイビングサービス

  • 個性豊かな小笠原のダイビングショップ
個性豊かな小笠原のダイビングサービス
ダイブナビで手配可能なダイビングサービスは以下の通り

■DeepBlue(公式HP)
■パパスダイビングスタジオ(公式HP)
■小笠原ダイビングセンター(公式HP)
■ダイビングサービスKAIZIN(公式HP)
■マリンコンダクターエスコート(公式HP)
■URÁSHIMÁN(ウラシマン)(公式HP)

旅のニーズに合わせてホテル選び

  • パパス・アイランド・リゾート

    パパス・アイランド・リゾート

    港から徒歩5分、アーリーアメリカン風なホテルタイプ、ダイビングショップ併設の宿。

    公式HPはコチラから

  • リゾート・アネックス・ハレ

    リゾート・アネックス・ハレ

    全ゲストルームからは二見湾、旭山が一望でき、ゆったりサイズのベッド、バスタブも好評。

    公式HPはコチラから

  • ヴィラシーサイド

    ヴィラシーサイド

    1972年に創業した父島でも歴史ある民宿。年数は立ってますが客室は清潔、食事は島の魚を利用した絶品料理。

    公式HPはコチラから

  • ウエストINN

    ウエスト

    宿の隣が観光名所でもあるセント・ジョージ教会。親切なオーナーと食事にリピーターも多い。

    公式HPはコチラから

  • シートピア

    シートピア

    家族経営の民宿。全5室とこじんまりとしているのでアットホームさがより感じられるはず。

    公式HPはコチラから

  • 境浦ファミリー

    境浦ファミリー

    街中から車で6分。周囲に1件しかない静かな宿。美味しい湧き水が出ることでも有名。

    公式HPはコチラから

  • ビーチコマ

    ビーチコマ

    和食中心の食事で滞在中、島寿司が振舞われる。海が目の前に広がる絶好のロケーション。

    公式HPはコチラから

  • プルメリアヴィレッジ

    プルメリアヴィレッジ

    上記で紹介したヴィラシーサイドのアパートタイプの宿。食事はヴィラシーサイドでの提供となります。

    公式HPはコチラから

  • なぎや

    なぎや

    1972年からある老舗ですが2012年春にリフォームして新装オープン。宿の食堂は現地の方も訪れるほど美味!

    小笠原観光協会内HPはコチラから

小笠原 旅の心得

  • 行きたいシーズンを選ぼう

    行きたいシーズンを選ぼう

    潜りたいポイントのベストシーズン(ケータならGW~夏、二見港湾内などシロワニの群れなら1月~4月など)や2月~4月のザトウクジラ、群れの夏、透明度の秋など四季折々の表情を持つ小笠原。
    休みと行きたいシーズンを早めに押さえるのが吉!
    豊富な魚影やイルカなどは通年見ることができます。

  • シーズンによるメリット・デメリット

    シーズンによるメリット・デメリット

    メリットの裏側にはデメリットも。夏は海の状態は最高ですが大変混み合う時期。特にお盆や予約が取れないということも。宿、現地サービスは船の予約が確定しない限り仮予約のみ、という所も多いです。 また、台風の影響などで海況が悪い場合、運航状況が変わることも。
    逆に冬季は台風の影響、混雑は少ないですが、波の影響で行けるポイントに制限あり。水温は19度程まで下がります。

  • アクセスは船のみ

    アクセスは船のみ

    小笠原へのアクセスは東京・竹芝桟橋から出る「おがさわら丸」と呼ばれる貨客船のみ。1979年に就航し現在で3代目。2代目より定員は125名増加、個室も数、バリエーションが増えより利用しやすくなりました。
    もちろん、島へ物資を運ぶ運搬船もこの船のみ。新聞なども1週間分がまとめて届けられるのです。

  • 旅行日数は原則6日間から

    旅行日数は原則6日間から

    GWや夏季などのハイシーズン以外は週1便で運航しているおがさわら丸。従って最短のツアーでも6日間となります。ハイシーズンは増便のため7日間や10日間といったツアーもできます。
    片道24時間、東京・竹芝桟橋を午前11時に出航、戻りは15:30着となります。前後1日は船中泊となるので6日間の場合、潜れる日数は3日間となります。

  • コロナウィルスによる影響

    コロナウィルスによる影響

    おがさわら丸は状況に応じて客数制限となる場合も。また事前に唾液によるPCR検査を実施(キットは無料で自宅に郵送されます)、乗船の前日もしくは前々日までに竹芝ターミナルに提出しないと乗船ができません。
    現地でも密や会話を避けるため、人数制限やマスクの着用のお願い、ダイビング後のロギングが中止される場合もあります。

  • 島内はキャンプ禁止。ケガや病気にも注意

    島内はキャンプ禁止。ケガや病気にも注意

    小笠原島内は野営やキャンプが全面禁止となっています。宿が取れないからと言ってビーチでテント、というわけにはいきません。携帯電話はドコモ、SoftBank、auが普通に使えますが、街から離れると使えないエリアも。
    飲み水の確保ができない場所も多いため、熱中症などになると危険!事前準備をしっかりと行い、細心の注意を払うようにしましょう。

  • 小笠原の旅は旅行会社に頼む方が便利

    小笠原の旅は旅行会社に頼む方が便利

    宿、船、ダイビングの手配からレンタカー、オプショナルツアーなどピーク時は手配のハードルが高い小笠原旅行。最近ではコロナウィルス対応などで手配した内容が急に変更となる場合もあります。
    旅行会社のダイビングパッケージツアーなら連絡先は一つで済む他、急な変更や台風などの情報を事前に素早くお知らせすることができます。

  • 行った人だけがわかる!感動のフィナーレ

    ”行った人だけがわかる!感動のフィナーレ

    楽しかった旅も終わります。小笠原から船が離れる時、多くの島民が送迎に来てくれます。宿やガイドの方々が手を振る中、ゆっくり港を離れて行く光景は感慨深いものがあります。
    さらに、ボートを所有しているダイビングサービスなどはしばらく追いかけてきてくれます。また来たい!強く思わせてくれる光景です。

ダイブナビスタッフが視察!
小笠原のここが素晴らしい

  • 群れの奥に群れ、が小笠原の日常
  • 群れの奥に群れ、が小笠原の日常

  • マグロ穴のアーチ
  • アーチが印象的なポイント「マグロ穴」

  • 目の前にイソマグロが迫りくる様子は迫力満点
  • 目の前にイソマグロが迫りくる様子は迫力満点

始めて小笠原へ行ったのはもう20年以上前になる学生時代。出発当日、あの地下鉄サリン事件があり、ざわつく東京に不安を覚えつつ旅立ったのを覚えています。
小笠原へ向かう唯一の船「おがさわら丸」。今、運航している船は3代目ですが、乗船した1995年はまだ初代おがさわら丸の頃。現在は24時間で到着しますが当時は28時間ほどかかりました。 現地に到着して最初の一本目、エントリーと同時に視界に飛び込んできた抜群の透明度と乱舞する魚たち、行き帰りにボート上で見られるザトウクジラとハシナガイルカ。 ネイチャーアイランドの名に相応しい雄大な光景は、今でも脳裏に焼き付いています。

2回目の訪問は社会人になり10年ほど経った頃。あれから海外の海なども多数潜りましたが小笠原でのダイビングが忘れられず、再度潜ってみたい!という思いで向かいました。 この頃には、おがさわら丸は2代目になっていて片道25.5時間と2時間半も短縮されていました。
船は新しくなりましたが海中はまったく変わらない。むしろ、夏のベストシーズンに訪れたため魚影の濃さは記憶以上。そして、何よりも印象的だったのは超有名ポイント「マグロ穴」。 1回目の訪問時はシーズンでなかったため潜ることができなかったこのポイント。ボートで向かうこと2時間、アーチ状の岩が見えてきます。このアーチの下に数百ものイソマグロが集まるのです。 アーチの手前からエントリーして進んで行くと、、、いました!1m近いマグロがグルグル。美しくも迫力満点の光景。これを見るだけでも小笠原に来る価値あり!ガイドさん曰く、100匹前後が通常、少ないと20匹ぐらい、多い日には200匹ーバー になるとか。シーズンはGWぐらいからお盆辺りが最高潮。時期を過ぎるとマグロの数が減り、海況的にポイントに行くことが難しいことが多くなるそうです。

海ばかりでなく陸上の魅力も素晴らしい小笠原。見慣れない植物が島を覆い、聞いたことのないような虫や鳥の鳴き声が聞こえる。新鮮な魚介を使った食事に親切な島の住人、そして同じように島を愛する気持ちでやってくるリピーター。 自然が好きな人なら、きっと虜になってしまうこの島。是非ともその魅力を実際に体験して頂けたらと思います。
(渋谷駅前店・大野幸隆)